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「■ 戦国無双」
▼ 半主

【半主】その『いつか』の為に

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「ねぇ、官兵衛殿」

戦が終わり、月明かりの下、血の匂いが残る戦場。
自軍の勝利ではあったものの、こちらの被害も大きかった。
戦場の後が、その凄惨な戦を物語る。
そんな戦場跡を見つめていたのは、織田軍に属す竹中半兵衛と黒田官兵衛だ。

「俺、いつか……、あの子を殺してしまうかもしれない」

ぽつり、と呟いた言葉の内容に官兵衛は半兵衛を見た。

「あ、いや。殺したいとか、そんなんじゃないよ?」

言葉の意味を違って取られてはたまらない、と半兵衛は両手を大きく振って否定する。
半兵衛の言う人物に、官兵衛は心当りがあった。

【紫音 那由他】。半兵衛と共に斎藤からやって来た青年である。
少年さが抜け切れていない華奢な身体と、少女のような美しい顔立ち。
だが、愛用の双剣を握れば幾千の兵を蹴散らす夜叉となる。
その戦ぶりに、畏怖の意味を込めて【死神】とまで言われ、噂されるようになった。
半兵衛は、あの美しい死神の青年の過去を知っている。
だからこそ、傍にいてやりたいと言う。
なのに、何故矛盾した事を。

「……俺の考えた戦で、あの子は死ぬかもしれない。あの子は下手をしたらこの軍で一、二を争う程の強さだ。だから、あの子がいれば戦の勝率は上がる。だけど、必然的にあの子は一番の激戦区で戦う事になって……、一番危険に晒される」
「……」
「……俺、あの子を守ってやりたいのに、一番酷い事をしてる」

本当なら、那由他を戦わせたくないんだと半兵衛は言う。
だが、半兵衛の言うように那由他がいれば士気も上がり、彼一人で相当な働きをする。
しかも。

「……忍びとしても、優秀だ」
「……でも。忍びでも、変わらないんだよ。……むしろ、あの子がもっと傷つく」

ずっと、彼は斎藤家の忍びとして闇討ちや暗殺、挙句は色を売り情報を収集等もしてきた。
そんな彼自身を壊すような事はもう二度とさせたくない。

「……犠牲を少なくしようと考えたら、あの子を使わざるを得ない。でも、使わないとなると犠牲は増える。……酷いよ、こんなの」

一番大切な人を危険に晒せば、その他大勢の兵の命が助かる可能性は高くなる。
犠牲を少なくしたいと思っている半兵衛にとって、一番苦しい選択。
結局、大切な青年を死地へと赴かせ戦をするのだ。

「……俺、ここまで軍師をやるのが辛いって思ったの……初めて」
「……」

月を見上げながら、半兵衛が呟く。
顔は見えないが、官兵衛には泣いているように聞こえた。

「……だからといって、卿は軍師を辞めるのか?」
「……ううん、辞めないよ」

秀吉様との約束だし、と半兵衛は笑う。

「……それに、あの子に誓ったから。『戦のない世を作る為に戦う』って」

その言葉にあの子は賛同してくれて、俺の傍にいてくれるんだから。
だから、一日でも早く、天下を一つに。
そうしたら、あの子は戦から離れ『ヒト』として幸せな人生を歩めるようになるから。

「だから、俺はあの子に負担をかけない上に犠牲を出さずに勝つ方法を考えないといけないからいつもより気が張ってる訳」

今までの戦より、ずっと神経を使うようになった。
私情と言われればそれまでかもしれないが。
だが、何と言われようがあの子は自分が守る。
自分の策で、殺してしまったらきっと、自分は一生後悔する。

「……難しいであろう」
「うん、天才の俺でも考え込む位難しい事なんだ」
「……卿が、行き詰まった時位なら助言はしてやる」
「官兵衛殿……」
「あの者を失ったらこちらの戦力の大きな損失になる」
「……ふふ、官兵衛殿は素直じゃないなぁ」

官兵衛殿だってあの子の事気に入ってる癖に、素直じゃないんだから。
半兵衛の言葉に、官兵衛の否定は無かった。

「ありがとう、官兵衛殿」
「……礼を言われるような事は言ってはおらぬ」
「……ふふふ」

と、遠くから声が聞こえる。

「あ、那由他だ」

嬉しそうに笑う半兵衛を見る。
と、二人を探していた那由他がようやく見つけた、と一息吐いて近寄ってきた。

「こんな所で、何をしてたの?」
「ん~と、官兵衛殿と軍師同士で、次の戦の事について話してたんだ」
「……そっか」

ちらり、と那由他は戦場跡に目を向ける。
あの戦場で、自分は一体何千人の人間を切り捨てたのか。

「ほら那由他!帰ろ帰ろ!!俺疲れちゃったから温泉入りたい!」
「え、」
「勿論那由他も一緒だからね?」
「あ、……うん」

那由他が何か言いかけようとしたようだが、半兵衛はそれを察知し那由他に抱き付いた。
二人は近い体型なので、那由他が少し力を入れないといけない事も想定済み。
建前上は、那由他は半兵衛の付き人……、近侍なのだ。
主人である半兵衛を受け止める為に、言葉を切らざるを得ない。

「あ、官兵衛殿も一緒に入る?」
「遠慮しておく」

三人で並んで帰りながら、半兵衛はこの三人でずっといられる事を祈っていた。

「(那由他、君は、絶対に死なせない)」

君と、平和な世で一緒に、人生を歩んで生きたいから。
その『未来』の為に、俺は矛盾と戦い続ける。
『いつか』来る、『未来』の為に。


* 終 *




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