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「■ 刀剣乱舞 短編」
▼ 燭一

【燭一】黄水晶(シトリン)の誓い【R18】

 ←【燭一】海泡石(ミーアシャム)の誘惑【R18】 →【燭一】あなただけがすき

*燭一で結婚式*
*R18!*


本当に、心から愛し合う二人だから。
ずっと二人に笑って欲しいから。
二人が永遠に、幸せでありますように。



「結婚式?」
「そう!そうなの主様!」

審神者の青年である那由他の元に訪れていたのは、乱藤四郎。

「いち兄と燭台切さんの結婚式をやろうよ、主様!」
「あ~……、それは僕も思ってるんだけどさぁ」
「じゃあやろうよ!」
「……僕達がそう思っても、本人達がやりたいと思わなきゃ駄目じゃない?」
「……むぅ~……、分かった。二人をその気にさせればやってくれるの?」
「二人がやりたいって言うのなら、僕は反対する理由は無いよ」
「分かった!」

乱はやる気が溢れた顔で、審神者の部屋を出て行く。

「あれだけ応援されてるなんて……。あの二人は幸せ者だね、ホント」

そんな乱を見送りながら、審神者は思った。




ぱたぱたぱた。


廊下を軽い足音が駆け抜ける。
兄である一期に見られたら「行儀が悪いよ、乱」と言われそうだが、兄は今内番で畑仕事中だ。
最初は兄を説得に行こうかと思ったが、兄は徹底的に断りそうだったので乱が先に目を付けたのは。

「燭台切さん!」
「!?乱ちゃん?どうしたの……?」

一期一振の恋人である燭台切光忠だ。
叩きつけるように開いた襖。
その乱の勢いに思わず燭台切の肩がビクリと跳ねた。
息を切らして若干鬼気迫る表情の乱に、「僕、何かしたかな……」と燭台切は思考を張り巡らせる。

「あのね、燭台切さん。いち兄と結婚式やろうよ!」
「……は?」

言っている意味は分かるが理解ができない。
というか突拍子過ぎて何がなにやら。

「え~っと……。乱ちゃん、とりあえず落ち着こうか?」
「ボクは落ち着いてるもん!燭台切さんは、いち兄と結婚するの嫌なの?」
「え、そんな事は無いよ?むしろ、したいと思ってる」
「じゃあ、やろうよ!」
「……えっと……。でも、一期くんが了承しないと出来ないからね?」
「じゃあ、燭台切さんもいち兄を説得してよ」
「妙に積極的だね、乱ちゃん……」
「だって、いち兄と燭台切さんはあんなにも想い合ってるのに結婚してないんだもん」
「結婚は、男同士では出来ないんだよ?」
「そんなの関係ないよ!主様だって言ってたもん。そういう事よりもお互いの気持ちの方が大事だって」
「主さんが……」
「そうそう。だから行こうよ、燭台切さん!」

自分の主も、同性の恋人がいる。
きっと、それは主自身に宛てたメッセージでもあるのだろう。
主の青年が自分達を見る目は、優しくて、でも、どこか悲しげだったのを思い出す。
自分の心の底にある、一期と結婚をしたいという願望は強かった。
互いに男なのだから、結婚も、式も意味の無いものなのかもしれない。
だけど、式を行う事で互いに夫婦という伴侶……、番として認めて貰えるような気がして。
自己満足かもしれないけれど、もし……一期も望んでくれたのなら。
それは、凄く幸せな事だと思う。
それに、結婚をする事で主の想いに答えられるような気がしたから。
ぐいぐいと燭台切の腕を引っ張ってくる乱に、これは大人しく従った方がいいと燭台切は判断した。
心に淡い期待を抱きつつ、燭台切は乱に連れられ一期の元へ向かった。




「ねぇねぇいち兄!」
「……乱……と光忠さん?」

内番の仕事を終え、自室に戻っていた一期の元に乱と燭台切がやって来た。
燭台切の手をぐいぐい引っ張る乱。
何か乱がやらかしたのだろうか……。と不安になる一期に、にっこりと乱は笑う。

「ねぇいち兄、燭台切さんの事好き?」
「えっ!?」

乱からのまさかの問いかけに、目に見えて一期は真っ赤になる。
どういう事ですか、と燭台切を見ると彼も困った顔をしていて。

「あはは、ごめんね。ちょっと僕じゃあ止められなかったんだ」
「ねぇねぇいち兄!だから、燭台切さんの事、好き?」

乱は一期の傍で、彼を見上げながら聞く。
一期は真っ赤にして視線を彷徨わせた。
燭台切と一期が相思相愛である事は誰の目から見ても明らかだし、本丸の全員が二人は恋仲だと知っている。
公認の仲であっても、一期には弟の前で目の前の男と恋仲ですと言う勇気は持ち合わせていなかった。

「……いち兄は燭台切さんの事好きじゃないの?遊びで付き合ってたの?」
「「!?」」

暴走する乱からの言葉に、一期は思わず咳き込む。
一体どこでそんな言葉を覚えてきたのか。
燭台切も乱の言葉に吹いたようだった。
だが、先程の乱の言葉だけは否定しなければいけない。
一期は真っ赤なまま、乱を見る。どうやら覚悟を決めたらしい。

「乱、私は……、光忠さんの事が好きだよ。遊びなんかじゃない……、許されるのであれば、ずっと、一緒にいたいんだ」
「いち兄……」

一期の精一杯の言葉に、乱はきらきらと嬉しそうに一期を見つめている。
一期はこれ以上無い程顔を真っ赤にしていた。
弟だけではなく、愛している恋人の目の前で恋文のような事を言ったのだ。当然だろう。

「やっぱりいち兄と燭台切さんは両思いなんだね!」
「これで、満足かな……。乱……」
「うん!これで遠慮無く結婚式が出来るね!燭台切さんっ」
「……え?」

乱の言葉に耳を疑う一期。
再度どういう事かと燭台切を見ると、燭台切は真面目な顔で一期を見ていた。
その真剣な眼差しに射抜かれ、一期は胸が大きく高鳴った。

「一期くん、冗談なんかじゃないよ。……前にも言ったけど、僕は君と本気で添い遂げたいと思ってる」
「っ……、でも、私達は同性です……。結婚は、意味が……」
「意味無い事なんてないよ!主様だって言ってたもん。周りの事よりもお互いの気持ちの方が大事だって!お互いがしたいって思ったら、二人がそう思うだけで意味があるものになるんだよ!」

乱の言葉に、一期は俯く。
自分の主を思い出したのだろう。
主も同性の恋人がいて、世間一般では祝福されない関係である事を心の何処かで負い目に感じているようだった。
本人達は笑っていたが、心を蝕むものは消える事がないのであろう。
二人が、自分達を見る目はとても優しくて、時に、とても悲しそうで。
そんな辛い想いを抱え、互いに茨の道を歩む主達。
たとえ、飯事だと言われようと互いが夫婦と、番となる事を望む気持ちの方が大事だと。
式が重要なのではない。
互いを生涯の伴侶とし、連れ添って歩く気持ちの方が重要なのだ。

「……光忠さんは、望んで下さるのですか?」
「勿論だよ。だって、これから先……君以外を愛する予定はないし、するつもりもないからね」
「……光忠、さん……」

燭台切の目は真剣だ。
その目は偽りを言っているようには見えないし、一期は誰よりも燭台切が誠実で嘘は吐かない人だと知っている。

「……一期くん、もう一度聞くよ?……僕と、結婚してくれるかい?」
「……はい……!喜んで……」

一期の笑みに、燭台切と乱は目を見張る。
今まで見たどの笑みよりも、今の一期は美しく微笑んでいた。
そして、二人が審神者にその旨を伝え審神者により二人の結婚式が執り行なわれる事になった。



■■■



「え~っと、汝、燭台切光忠よ。貴方は、神の元に、一期一振に対し絶えることない永遠の愛を誓いますか?」
「え~っとはいらないよ、紅葉」
「那由他……分かってるってば。でも、まさかの洋式の結婚式を二人が選ぶなんてね」
「乱が結婚雑誌を見てさ、『絶対これがいい!!』って駄々捏ねてね。一期と光忠もそれでいいって」
「ああ……っていうか君が結婚雑誌を持ってた事にツッこんだ方がいいのかな。でも俺的には一期がドレスを了承したのも驚きだったけど」
「それも乱がね。まぁ光忠がこっそりお願いしたのもあるんだろうけど」
「成程ね。流石伊達男」
「んじゃ、もう一回行こうか。紅葉」
「あいよ」

分厚い聖書を持ち、台詞を練習するように言うのは審神者である那由他の相棒、紅葉である。
那由他は大学で友人も多く、式の会場作りやら衣装の準備やらで色々動き回っていた。
なので、紅葉が神父役を担当する事になったのだが。
和式の結婚式ならまだしも、洋式の結婚式は刀達には初めてだろうから練習をと、那由他と紅葉が一期と燭台切に持ちかけたのだ。
雰囲気を出す為に、一期に簡易的なヴェールを被せ練習をしていた。
練習している内にギャラリーが増えてしまい、ある意味練習になっていない感じになってしまったのはまぁ、置いておこう。
紅葉はコホン、と咳払いすると目の前に立つ燭台切と一期を見て、再度言う。

「汝、燭台切光忠よ。貴方は、神の元に、一期一振に対し絶えることない永遠の愛を誓いますか?」
「―――……はい、誓います」

澱みもなく、躊躇いもなく、真っ直ぐに前を見て燭台切は答えた。
その真っ直ぐさに、紅葉も息を呑む程だった。
今の彼の言葉が、本当の燭台切の心そのままの想い。
燭台切の隣で、一期が動く。
一期はわずかに顔を俯け口元を手で隠すと、瞳から涙を溢れさせていた。
ヴェールが肩を滑り、一期の顔を隠す。

「一期くん……」

労わるような燭台切の優しい声に、なんでもないですと首を振ると一期は顔を上げた。
まだ瞳は潤み、顔は赤いけれど、それは悲しみの涙ではないから。
大丈夫です、と一期の唇が動いた気がした。

それを見て、紅葉は改めて一期を見た。
新郎である燭台切が誓ったのだから、次は新婦である一期の番だ。

「汝、一期一振よ。貴方は、神の元に、燭台切光忠に対し絶えることない永遠の愛を誓いますか?」
「はい……、誓います」

はにかむように美しい笑みを浮かべて、一期は静かに答えた。
それは、とても幸せそうな笑顔だった。
それを見て、紅葉と那由他は思った。
きっと大丈夫。今の二人なら。
これから先も心配は要らない筈。
と、辺りに拍手が響き渡る。
後ろで静かに見守っていた刀達が祝福の拍手をしているのだ。
誰もが、嬉しそうに二人を見つめていた。
一期の弟達は、満面の笑みで力いっぱい手を叩いている。自分の事のように嬉しそうだった。

「では、神への証として誓いの口付けを」

紅葉がそう告げた途端、乱はさらに激しく拍手をし、近くにいた鶴丸は機嫌よく口笛を吹き始める。
すっかり面白がっている面子もいるようだった。
言われた当の主役の二人は完全に固まっていたが。

「は……!?」
「あ、あの……!!」

まさかこの状況でさらに進行させようとする紅葉に燭台切は固まり。
一期は顔を真っ赤にして立ち尽くしている。
まあ、この二人だからこういう反応が返ってくるとは紅葉も思っていた。
それなら実際の結婚式のときどうするつもりなのだろう、と紅葉は動作停止した二人を交互に見ながら思った。
少なくとも見守っている人数は今の比ではなく、刀全員が参加する筈だが。

「ほらほら、やっぱり結婚式に誓いのキスはつきものでしょ?」

はやし立てる審神者の那由他に、口笛を吹き続ける鶴丸。堀川はそんな二人を見て苦笑している。
面白がっている外野を恨めしげに見やり、燭台切は助けを求めるように紅葉の方を見る。
目を閉じて紅葉は考え込む素振りをし、燭台切から視線を外す。

「んー、でもさ、どうせ本番でもっと大勢の前でしなくちゃなんないだろ?今のうちに誓いをあげててもいいんじゃない、光忠?」

それに、いつも二人はキスしてるんだから軽いだろ?と言われる始末。
退路を断たれて、燭台切は項垂れる。
誓いの口付けをするまでは、彼らは燭台切と一期を解放する筈がないと分かっているのだ。
確かに、口付けだけならいつもしている。だけど、人前でするのは初めてなのだ。

「(覚悟を決めるか……)」

次に顔を上げた時の燭台切は、真剣な目をしていた。

「―――……一期くん」

隣の花嫁を呼ぶ低い声が、場に響く。
その声を引き金に、騒いでいた外野の声も引いていった。辺りの空気が張り詰めて行く。
呼ばれた声に応えて顔を向けた一期の前に立つと、燭台切はそっと一期のヴェールに右手を添えた。
二人に最も近い位置にいる紅葉は、息を潜めて事を見守っている。
物音ひとつ、呼吸する僅かな音でさえも立てることができなかった。
それ程までに、空気が、燭台切の纏う空気が真剣なものだったからだ。
燭台切が右手を持ち上げると二人を遮るレースの帳が無くなり、お互いの顔がよく見えるようになる。
那由他と鶴丸が身を乗り出すようにして見守っているその中で、これ以上にないくらい、二人の顔が接近した。
気配に応じて一期が瞳を閉じる。
緊張した雰囲気の中で、燭台切が動いた。

ほんの一瞬だった。

一期に顔を近づけ、燭台切はその額にそっと口付ける。
本当に軽く触れるだけの口付けだった。
そのまま唇を下に動かして、燭台切が一期の耳元で何事か囁いた。
一期は目を丸くし、自分の唇を隠すように手を当てる。その顔は真っ赤だ。
そんな様子に満足そうな笑みを浮かべ、燭台切は一期から身体を離す。

「これで文句はないよね?」

ニヤリ、と笑い燭台切は後ろにいた面子に向けて言った。
確かに間違ってはいない。
誓いの口付けとは言ったが、何処にキスをしろとは指定していないのだ。
思いっきり揚げ足を取った形だけれど。
勿論皆が納得できる形ではないから、文句の声が沸き起こるのは当然だけども。
文句の声を諌める燭台切を見やり、那由他はまだ赤面している一期の元へと近寄った。

「ねえ、さっき光忠って何を言ったの?」

囁き声で紡がれた言葉。回りには聞こえないだろう。
思い出したのか未だに顔を赤くした一期だが、にっこり微笑んではっきりと答えた。

「それは内緒です。主様であろうとも教えられません」
「ええっ!?教えてくれたっていいじゃん!」
「絶対駄目です」

紅葉は晴れ渡った空を見つめていた。
ある意味、新婚夫婦の惚気を最も近くで聞く羽目になった訳だ。
とりあえず、聞いているこちらが恥ずかしくなる言葉なのは間違いない。
燭台切だからこそ言えるであろう、気障な言葉だ。
紅葉は誰にも気付かれないようにそっと溜息を吐いた。
一期と那由他の押し問答を遠くに聞きながら、紅葉は晴れ渡る青空を仰いだ。

『唇は、本番にとっておくよ―――』

そんな、光忠の台詞を聞く羽目になった自分をちょっとだけ呪いながら。




そんなこんなで、翌日に式を控えた前日の夜。
本丸の中でも少し外れた縁側で、明日の主役である燭台切と一期は寄り添って座っていた。

「光忠さん……」
「一期くん」

視線が合えば、口付けをして。
手は、指を絡める恋人繋ぎ。
互いに感じる体温がとても心地良くて、幸せで。

「光忠さん、ずっと、傍にいてくださいね」
「……言われなくてもそのつもりだよ。君が望む限り、ずっと一緒にいる」
「嬉しい……」

そしてまた、口付けを交わす。
こうやって寄り添って、抱き締めて口付けをする。
口付けも、触れるだけの口付けが多い。
何より一期がその口付けを好んでいるから。
勿論深い口付けも何度もしているのだが、一期を前にしたら大切にしたい、一期の望む事をしてあげたいという想いが先行して。
こう触れ合うだけでも幸せな自分に、燭台切は気付いていた。
偶々二人で寄り添っている光景を見られ、後日その件について鶴丸から「お前って手の早い印象があったんだが……。意外に純情なんだなぁ」と愉快そうにからかわれたのも記憶に新しい。

「あの、光忠さん」

くいくい、と一期が燭台切の服の裾を引っ張る。

「どうしたの?」
「……あの、その……」

少し顔を赤くしながら一期が言い澱む。
そんな姿さえ可愛いと、愛しいと思う。

「明日が……、凄く楽しみです。夢のようで」
「……一期くん……」
「貴方と、夫婦になれる事が。伴侶となれる事が嬉しくて」

嬉しそうに語る一期に、彼は自分の言っている事がどれだけのものか気付いているのだろうか?
いや、きっと気付いていないのだろう。
燭台切は、くす、と笑い一期を力強く抱き締めた。

「一期くんが僕の伴侶になってくれるんだもの、僕だって嬉しいよ」
「……はい。……光忠さん、私を……貰っていただけますか」
「勿論だよ」

と、抱き締めると嬉しそうに一期が燭台切の背に手を回した。

「……一期くん、君を絶対幸せにする。幸せって言って貰えるように、頑張るよ。だから……」

僕と、結婚して下さい。

そうハッキリと告げる。
二人きりの時に、本当なら告げたかった言葉だから。もう一度。
その言葉に一期は嬉しそうに微笑み、一期の胸に顔を埋める。

「はい」

嬉しい、と一期が幸せそうに微笑みそっと目を閉じて口付けを強請る。
その可愛らしいお願いに、燭台切は笑うと優しく口付けを落とした。
何度も交わす口付け。
ふわりと微笑む一期に、燭台切も優しく微笑んだ。



■■■



本丸の中を慌ただしく駆け回る、薬研と堀川。
そんな忙しい二人は、互いに手を止めて本丸を見る。

「今日は今までに無い位忙しいな」
「そりゃそうだよ」

二人とも、いつもの服に胸元に白い百合の花を挿している。
その理由は簡単だ。

「だって、今日は燭台切さんと一期さんの結婚式だから」
「そうだな」
「大丈夫だよ。みーんな燭台切さんと一期さんを祝福してくれてるよ」
「……あぁ」
「今日は、凄くいい日になりそうだね」
「……だな」

準備を進めつつも、二人は笑った。



「いよいよか」
「うん、いい天気になって良かった良かった」

晴れた空を見ながら嬉しそうにしている那由他と紅葉。
那由他は祭事に着る、装飾の施された法衣を着ていた。胸には百合の花。
那由他の髪には、真っ赤な牡丹の花が飾られていた。
一言で言えば、美しい。

「那由他、綺麗だよ」
「ふふ、それは今回の主役に言うものじゃない?」

紅葉は神父役なので神父が纏う法衣を身に付けていた。
やはり、胸には白い百合。
互いにクスクス笑っていると、薬研がやって来た。

「大将達、こんな事してる場合じゃねぇだろ?今日の主役の準備が出来たから呼びに来たんだよ、俺は」
「あ、一期の準備も終わったの?」
「ああ。国広が着付け終わったって言ってたしな」
「じゃあ、主役を拝みに行きますか」

那由他は笑い、皆は主役の下へと向かった。
途中で紅葉と薬研は燭台切の元へ向かい、那由他は一期の元へと向かう。

「あ、主さんっ。一期さんの着替えは終わってます。とても綺麗ですよ。見てあげて下さい」
「俺が綺麗にデコってあげたよ~褒めて、主!」
「ふふ、ありがとう清光」

堀川は那由他を見て頭を下げると、ゆっくり襖を開ける。
中に入った那由他は、一期の姿を見て目を見開いた。

一期は真っ白なビスチェタイプのウェディングドレスを身に纏っていた。
背中は腰にあるリボンまで見え、前は首にリボンを巻きつける事で固定するタイプのもの。
胸元はたっぷりのレースが使われ、一期の清楚さをさらに引き立てている。
ふわふわとしたボリュームたっぷりのスカート部分も、上品な絹のリボンとレースがふんだんに使われている。
手には薄手の白くて短いウェディンググローブ。
幻想的で美しい蒼碧の髪には、胡蝶蘭の花が映えるヘッドドレスとヴェール。
化粧も、一期の柔らかい雰囲気を損なわないピンクがメインの薄いメイク。
まるで、天使が舞い降りたような光景だった。

「主様……」

来てくれたのですね、と嬉しそうに一期は笑う。
あまりにも美しい一期の姿に、那由他は声が出ないようだった。
我に返った那由他は、優しく笑うと一期の傍に歩み寄る。

「綺麗だよ、一期」
「……ありがとうございます、主様」

微笑む一期に、那由他はポケットから箱を取り出しその中身を一期の首にかけた。
それは、ネックレス。
小さいながらも宝石が並べられ、それがリボンの形を模るシンプルだが美しいネックレス。

「主様……?」
「……これはね、短刀達が一生懸命作ってくれたネックレスだよ」
「え……?」
「作り方を教えて、短刀達が一生懸命作ってくれたんだ。最後の仕上げとかは僕がしたけどね」

可愛い弟達が作ってくれたネックレス。
よく似合ってるよ、と那由他が微笑む。

「……」

一期は、そっとそのネックレスに触れる。

「ありがとう、ございます……、主様……」
「ほら、まだ始まってもないのに泣いちゃ駄目だよ?一期」
「っ……はいっ」

一期は、那由他に手を伸ばす。
それを見た那由他は、優しく一期を抱き締めてやる。
そんな二人を、堀川は優しい目で見つめていた。

「国広。燭台切の旦那を連れて来たぜ」
「お、もう一人の主役の登場ですね」

堀川の言葉に、一期が顔を上げる。
やはり泣いてしまっていたらしく、那由他が苦笑しながら一期のメイクが取れないように優しく涙を拭ってやっていた。

薬研に押され、堀川に手を引かれて燭台切が部屋に入ってくる。
燭台切は金の装飾が細かく縫い付けた黒いタキシードを着ていて、胸元には白い百合を差していた。
その姿は酷く様になっていて、思わず堀川と那由他は燭台切に見惚れてしまう。

「光忠さん、素敵です……」
「……ありがとう、一期くん。でもこういう礼服は緊張するね」
「ふふ、そうなんですか?」

そんな二人を見て気を利かせた那由他と堀川が、「式場の準備が出来たら呼ぶから」と言い退室する。
部屋には、燭台切と一期が残された。

「……一期くん、綺麗だ。……凄く綺麗だよ」
「ありがとうございます。光忠さんもとても素敵でお似合いです」

と、一期は嬉しそうに頬を染めて言う。
そんな愛らしい一期に、燭台切は優しく微笑んだ。
幸せすぎて、夢のようだ。
燭台切の目の前には、誰よりも愛しくて大切な一期がいる。
まさか、自分の手を取ってくれるとは思っていなかったから。

……だから。

「一期くん、今日を一番幸せな日にしようね」
「……はい!」

世界で、一番幸せにしてみせるから。

「準備出来ましたよ」という声に、二人は手を取り合って襖へ進む。
まるで、未来への扉を開くように。



■■■



本丸の部隊を洋式にアレンジした式場。
仲間である燭台切と一期の結婚を祝おうと、本丸に暮らす全員が集まった。
祭壇に立つ神父役の紅葉の前に、タキシードの上に愛用している漆黒のジャケットを羽織った燭台切が歩み寄り刀を持ち敬礼する。
その姿はまるで騎士のよう。
敬礼を終えた燭台切はジャケットと刀を取り去り、一期を待つ。
と、音楽と共に式場の入り口に立つ二つの影。

那由他にエスコートされ、バージンロードを歩む一期。
視線の先には、燭台切が立っている。
一期は前を見ながら、溢れてくる幸せを噛み締めていた。
好きな人といられる幸せ。愛する人と伴侶になれる幸せ。
今まで、弟を守り、敬愛する主に仕える事が生き甲斐だった。
でも、燭台切と出会い、彼を『好き』と認識した気持ちはそれを大きく上回り。
彼と一緒に居る事が、何よりも幸せになった。
だから、離れたくないと思った。
ずっと一緒にいたいと思った。
そんな思いを、燭台切も持っていてくれた。

……自分は、きっと、世界で一番の幸せ者だろう。
一期は心の中でそう思った。

那由他と一期が燭台切と紅葉の待つ祭壇へ到着する。
燭台切は那由他に向かい、頭を下げる。
そんな燭台切を見て、那由他は穏やかに笑う。

燭台切は、数日前の事を思い出す。
一期に結婚しようとプロポーズした後、那由他へ報告に行った。
報告をしたら那由他は最初驚いた顔をしたが、すぐに嬉しそうな穏やかな笑みを浮かべた。
そして、燭台切にこう告げたのだ。

「一期を、幸せにしてあげてね。光忠」

と。
その言葉に、燭台切は深く頭を下げた。

「……うん。必ず……幸せにするから」

そうハッキリと伝えた。
あの時と、全く同じ笑みをしていた。

「(主さん……ありがとう)」

絶対、一期くんを幸せにするから。
そう心の中で燭台切は呟き、一期と共に紅葉へ向き直った。

「……新郎、燭台切光忠は、いかなる時も一期一振を愛し、乗り越えると誓いますか?」
「……はい。この命に懸けて誓います」
「……では、新婦、一期一振は、いかなる時も燭台切光忠を支え、生涯を共に生きて行くと誓いますか?」
「……はい。我が銘と命、全てに懸けて誓います」
「……では、誓いの品を」

そう言うと、燭台切と一期は向かい合い、互いの薬指に指輪を嵌める。
シンプルな細めの指輪。
中央部分にシトリン(黄水晶)が嵌め込まれた指輪だ。
互いを象徴とする色を互いの指に。
それを見届けた紅葉は、「では、誓いの口付けを」と告げた。

一期は燭台切を見上げる。
燭台切はゆっくりと一期の顔を覆うヴェールを上げた。
そしてそのまま、ゆっくりと唇を重ねる。
一期は、これ以上無いくらいに幸せそうな顔をしていた。

「ここに今一組の夫婦が誕生しました!」

その高らかな紅葉の声と共に、式場にいた全員が立ち上がり拍手を送る。
皆に祝福して貰えるのが嬉しくて、思わず一期は燭台切に抱きついた。
舞い散る紙吹雪や花弁。
この本丸にいる全ての人が祝福してくれる。
こんな嬉しい結婚式は無い。
二人は手を繋いだまま仲間達の前へ歩み寄る。
そして一期は手に持っていた百合、カスミソウ、マーガレットのブライダルブーケを高らかに投げた。
ふわりと舞ったブーケは、ふわりと風に乗り。

「あ……」

那由他の手に、落ちた。
それを見た一期が嬉しそうに笑う。
小さく開かれた唇に、一期が何を言っていたのか那由他には分かってしまった。

「(主様も、幸せになって下さいね)」

幸せのおすそ分けです、と一期は唇を動かして告げると嬉しそうに燭台切に寄り添った。
そんな一期を見て、那由他は幸せそうに微笑む。

「じゃあ、薬研行くよ!」
「了解だ、国広!」

二人の声が聞こえた、と思った瞬間、舞台の屋根から薬研と堀川が大量の桜の花を散らす。
風が、桜の花を雪のように周りに降らせた。

「わぁ……!綺麗!!」
「……あの二人……」

一期と燭台切が見上げると、薬研と堀川は嬉しそうに手を振っていた。

「二人共、お幸せに!燭台切さん、一期さんを泣かせちゃ駄目ですよー!」
「おめでとう、いち兄、燭台切の旦那!幸せにな!」

薬研と堀川は二人に言葉をかける。
そんな言葉が嬉しくて、二人で「ありがとう!」と告げた。

暖かい春風に乗って、桜の花が呼び込んだ幸せ。
燭台切は、一期を横抱きにして抱え上げる。
所謂姫抱きな図になり、最初一期は驚いたようだが嬉しそうに燭台切の首に腕を回す。

青空に、舞う桜の花。
二人を祝福するかのように、白い鳩が一斉に飛び立つ。
世界中からまるで祝福されているようで、二人は再度口付けを交わした。



■■■



そして、夢のような式も終わり夜が更けた。
本丸至上最大とも言える宴が終わり、二人は互いに見つめ合う。
主から二人に与えられたのは、本丸の敷地内にある離れ家。
今まで使われる事は無かったが、いつ使われてもいいように手入れは行き届いていた。
そんな離れを夫婦になった二人に与えたのだ。
夫婦になったのだから、個別の部屋でいる必要は無い。
そう主は言ってくれたので、二人はそれに甘える事にしたのだ。

「夢の、ようでした」
「一期くん」

布団の上で座る、燭台切と一期。
布団は隙間が無いように並べられている。
互いに式の時の衣装のままで宴に参加させられたので、燭台切はタキシードのままだし一期はドレスのままだ。
薄灯りの部屋で、互いに二人きり。
そして、寝台の準備は出来ていて。
一期は、燭台切を誘うように目を閉じた。
そんな一期の誘いに、燭台切は一期に口付ける。
最初は触れるだけの口付けだったが、互いに昂ぶり舌を絡ませる濃厚な口付けへ。
そっと燭台切は一期の腰に腕を回し引き寄せる。一期も燭台切を強く抱き返した。
視線が絡み、そのまま二人は誘われるように再度口付けを何度も交わす。

「ねぇ、一期くん……背中を向けてくれる?」
「ぇ……?はい……」

燭台切からの願いに、一期は背中を見せる。
剥き出しになっている細くて白い背中に、燭台切は唇を寄せる。

「っ……ぁ……」

優しく口付けられたと思ったら、背中を這うように舐められる。
少し戸惑った眼で燭台切を見ると、燭台切は一期を見ていた。
ちゅ、と背中に再度口付けるとびくりと一期の背中が震えた。

「……君は、本当に綺麗だ」

白い背中に口付けながら、痕を付けていく。
燭台切の言葉に、一期の頬が染まる。
耳元でそっと囁かれたと思うと、次の瞬間には耳の穴を舌先で擽られた。
いやらしい水音が至近距離で鳴り響くたびに、背筋をぞくぞくとしたものが走り抜ける。
肩甲骨付近に痕を付けていくと、まるで羽のように見える。
一期は背中が弱いようで、布団を握り締め悶えていた。
しかし『所有印』とはよく言ったものだと燭台切は思う。
確かにこれは、痕を付けた者の所有するモノだという証。
服を着てしまえば見えなくなる位置に付けるそれは、貞淑で清楚で自分の妻である一期に万が一何かあった時のみ効果を発揮することになるのだろうと思う。

「(……まぁ、そんな事は僕が絶対にさせないんだけどね)」
「ぁ、あっ……は、はぁ……あン……!?」

一期の腰に巻かれたリボンを解き、背中のチャックを下ろす。
そして背中の愛撫だけで尖り始めた胸の飾りをきゅっと抓った。
背中と胸の愛撫だけで、一期は甲高い悲鳴を上げる。
的確に性感を引き摺りだされ、一期は成す術無く燭台切から与えられる快楽を享受するしかなかった。
すると次は背後から耳朶を優しく甘噛みされ、痺れるような快感が背筋をぞくぞくと駆け昇って行く。

「ん、ぁ……ぁあ……光忠、さん……。口付け、して……?」

与えられる快感に震えながら一期が光忠に口付けを強請る。
燭台切はふ、と微笑み口付けをする。
先程の触れるだけの口付けとは違い、深く舌を絡める情熱的な口付け。
その口付けだけで、一期は身体が熱くなるのを感じていた。
一期は起き上がりそのまま燭台切の首に腕を絡め後方に倒れると、彼も予測できていなかったのか引っ張られる形となる。
一期の上に燭台切が圧し掛かる体勢になり、一期は燭台切に微笑む。

「一期くん……」
「光忠さん……」

一期はにっこり笑うと燭台切に口付けをした。
その穢れを知らないような笑みに、燭台切を誘うような動き。
その対照的な一期の仕草に、燭台切はごくり、と喉を鳴らした。





「あっ……、はぁ……ぅん……」

薄暗い部屋の中、小さく上がる嬌声。
首に散らされる花弁。
今までになく敏感になっている一期を労わるように、燭台切は一期の頬や額に触れるだけの口付けを落とす。

「ん……くすぐったい、です……」

一期はその口付けに擽ったそうに身を捩る。
燭台切はそんな一期を見て微笑むと、唇に自分の唇を重ねた。
互いに求めるような、深いキス。
長い口付けが終わった後、一期は燭台切を見上げる。

「光忠さん……触って……?」

肩で息をしながら、一期は頬を染め、スルリとドレスの裾をたくし上げる。
それにより、彼の白くて細い足が露になった。
その蠱惑的な仕草に、こくり、と燭台切の喉が鳴る。

「ふぁ、あ、ぁん、あ、あっ……」

薄暗い部屋の中に響く粘着質な音と小さな喘ぎ声。
布団に横たわっている一期は、燭台切から与えられる刺激に身を捩る。 
一期の脚を大きく広げ、その中心にある自身を燭台切は口に含んでいる。
性感帯に直接与えられる刺激に、一期は涙を零しながら悶えた。
燭台切は一期自身を丁寧に自らの舌で舐め、吸い上げて、ぎりぎりのところまで追い詰めていこうとする。
一期は言い様のない高揚感で身体が熱くなった。

「はぁ……ッ、う……んぁ……あ、ぁ……みつ、ただ、さ……!」

名前を呼ぶと、燭台切は余計に一期に刺激を与えてきた。
直接自身に与えられる刺激に耐えられず、びくびくと一期の内股が痙攣する。

「や、光忠さんっ……いく、イっちゃう……!やらぁっ、くち、はなしてぇ……!」
「イっていいよ……一期くん」
「っ、ぁああ……ッ!」

一瞬体が硬直した後、ぴくぴくと足が痙攣する。
絶頂の証である白濁の液は燭台切が口で受け止め、そのまま飲み下す。
荒い呼吸を整えながらそれを見た一期は顔を真っ赤にする。

「光忠さんっ…口離してって言ったのにっ……!やだって、言ったのに……」
「ご、ごめん……」

掛け布団を手繰り寄せ、顔を真っ赤にして燭台切を睨む一期。
その目に涙が溜まっているのを見て、燭台切は困ったような視線を向けてきた。

「ごめんね、一期くん……」

燭台切の悲しそうな声に、一期は驚きで目を見開いた。
違うんです、と一期が首を振ると燭台切は一期の頬から伝った涙を唇で拭った。

「……嫌じゃ、ないんです……ただ、恥ずかしかった、だけ、で……」

燭台切にそんな悲しそうな顔をして欲しくない。

「……光忠さん、好きです……」
「……うん……ありがとう。僕も、一期くんが好きだよ」

二人は互いに微笑むと、触れるだけの口付けを交わした。 




「ぁ!、あ、はぁ、ん…」
 
剥き出しになった白い肩と脚、中途半端に乱れたドレス。
日に触れないその白磁の太腿に口付け、紅い痕を付けていく。
ちゅ、ちゅと音をわざと立てて柔らかい太腿を堪能する。
 
「や、ぁ……、そこ、ばっかり……」
「ん、そこばっかり?なに?」
「っ、そ、れは……」
 
わざと一期の一番感じるポイントには触れず、際どい所ばかりを責める。
一期はぴくぴくと震えながら、訴えるように燭台切を見つめる。
燭台切はにこにこしながら太腿の付根を撫でた。
羞恥と期待に、元々水分の多い瞳が更に潤んでいる。
一期の求めている事は、勿論燭台切には分かっている。
だからこそ、恋人の口から言って欲しい。
清楚で穢れの無い微笑みや仕草。そんな清らかな天使のような人を自分だけのものにしている高揚感。
つくづく自分は性質が悪いなと思いつつも止められない。
太腿を撫でる手はそのままに、ドレスで見え隠れしている胸の飾りに唇を寄せた。
 
「や!ぁ、そこ……だめ、です……!」
「ん……、太腿に垂れてきてるよ?一期くんはいやらしいね」
「っ…!」
 
太腿を濡らす愛液を指で掬い、見せ付けるように舐めると一期は全身を真っ赤にし眉を下げ震えていた。
今一期が纏っているのはドレスとガーターのみで下着は身に着けていない。
燭台切の焦らしに、元々快楽に弱い一期が耐えれる筈も無く。
 
「っ、みつただ、さんっ…」
「ん?どうしたの、一期くん」
「っ、ふ、ぁ……!」
 
既にとろとろに濡れている秘所に、燭台切の指が触れる。
円を描くようになぞり、浅く指を差し入れると一期の身体が大きく震えた。
ぐちゅ、くちゅと粘着質な音。
指で抜き差しをしつつも、一番感じる箇所はわざと避ける。
びくびくと震えながら背を仰け反る一期の突き出された胸に、唇を寄せ吸い付いた。
 
「やぁ、だめ、も、っあ、ん、あっ、あ、すっちゃ、やぁあ……!」
「ん、イきそうかな?ここ凄くびくびくしてる」
「ふぁ、!あ、ぁ……」
 
再度開放を求めて震えている中心の先端を、指先で弄る。
意地が悪いと思うが、一期を前にしたら止められない。
一期はぽろぽろと涙を零しながら、目の前の恋人に懇願した。
 
「っ、光忠、さん、が……欲しい……!もっと、奥に……、光忠さんの、熱い、のを……下さいっ……」
 
切羽詰った声と、荒い呼吸。
全身を桜色に染め、股を開いて男を求める淫らな仕草。
求めていた言葉に燭台切は満足そうに笑い、自分の昂ぶりを秘所に押し当てる。
濡れそぼった秘所からダイレクトに感じる熱い、脈打つ感触にぴくりと一期は震えた。

「ふぁ、あ、あ、あっ……!」
「ん、気持ちいいよ、一期くん……」

ずずず、ずっ、ずっ、とゆっくりと押し入ってくる熱い楔。
一期はその肉壁を摺ってくる熱い楔の感覚に大きく身を捩り、敷かれた布団を握り締める。
一期の中に全てを収めた燭台切はふぅと息を吐き、一期の頬を流れる涙を舐め取る。
そして優しく頬を撫でてやると、一期は嬉しそうに微笑んだ。
そんな一期にキスをすると、燭台切は動き始める。

「ん、ふぁ、あっ、あ、ぁん……!」
「一期くん……気持ちいいかい?」

揺さぶりながら一期に問いかけると、こくこくと首を縦に振って頷く。
部屋の中に響く一期の甘い嬌声に、燭台切もどんどん昂ぶっていく。

「はぁ、……んっ!あんっ、あんっ、あぁっ……、きもち、いい……」

ふと、一期と目が合った。
一期は蕩けた瞳で、燭台切の熱を受け入れ快楽に身を躍らせている。

「みつただ、さん……」

甘く、蕩けるような掠れた声で名を呼ばれ、心臓が跳ねる。

「どうしたの、一期くん……」
「光忠さん、好き…ッ好き……、大好き……!」

一期は頬を赤く上気させながら、うわ言のように繰り返しながら愛を告げる。

「僕も、好きだよ……、一期くん……」

愛する伴侶の愛らしい姿に堪らなくなって、燭台切は腰の動きを早めた。

「ひゃあぁっ……!あっ、あんっ……!はやい…ッ、あっあっあんっあんっあんっ、好き、好きぃ……!」

燭台切のモノがどんどん深く、奥を突いてくる。
身体の中を駆け抜ける強すぎる快感に、一期は艶やかな嬌声をあげながら布団の上を踊る。

「あ、あっ、はぁ、ん……あん…、あっ、あっ……!みつ、ただ、さん……」
「、っ……一期くん……」

するりと燭台切の首に回る一期の腕。
快楽に濡れた声で自分の名を呼ばれ、燭台切も自分を抑えきれず愛する伴侶の名を呼ぶ。

「はぁッ…ぁん、あ、あぁ、あっ、光忠さんッ……もっと、もっと、奥……!」
「っ、はっ…、僕も、まだ、足りない……!」

抱き締められたまま、最奥を何度も突き上げてくる。
脳髄に走る快感に背中が反り上がり、一期は艶めいた悲鳴を上げた。
性急だが、優しくナカを犯される感触。
あまりの気持ちよさに意識が混濁し、気が狂いそうになる。
段々と速くなる動きに身体を揺さぶられるにつれ、一期は燭台切の熱に溺れていく自分を感じた。
キモチイイ、もっと、もっと、欲しい。もっと、頂戴……。

「光忠さ……ッ、も、イく……!あ、あっ、あっ!あん、あんッ……んッ、あぁあああッ……!」
「ッ……!」

一期は自分の体の奥に温かい熱を感じ、自分も絶頂を迎える。
中を抉る熱がドクンドクンと大きく脈打つ感触と、腹の奥がじわりと熱くなる感覚。
二人で抱き合ったまま呼吸を整えていると、一期は燭台切を見つめていた。

「一期くん……?」
「光忠さん……」
「……まだ、欲しいのかな?」
「……、はい……」

清楚でそういう事とは縁の無さそうで禁欲的に見える一期が、実は快楽にとても弱い事を知っているのは自分だけであろう。
燭台切から与えられる快楽を覚え、燭台切の好みに染まっていく。
そして、彼は自分の唯一の伴侶となった。
伴侶としての契りが出来た事で、またひとつ自分の征服欲が満たされていくのを燭台切は感じていた。

「一期くん、僕の上で頑張ってみるかい?」
「え……?」

ぼんやりとした頭で、燭台切の言葉を考える。
それは、所謂騎乗位というやつだろうか。
今まで燭台切とは、正常位や対面座位しかした事が無かったから。

「……、はい……」

いつも、燭台切に与えられてばかりだから今度は自分が。
自分が、この目の前にいる誰よりも大切な人を愛して、満足させてあげたいから。
一期は脱力気味の足でどうにか体を引き摺り、燭台切に覆い被さる。
一期は膝立ちになり、既に勃ち上がっている燭台切自身に自分の後孔を重ね合わせようとする。
が、ドレスの裾が邪魔で捉えにくいようだった。
燭台切はそのドレスの裾を掴み、するりとたくし上げる。
それにより、既に緩やかに勃ち上がっている一期自身が丸見えになった。

「一期くんが頑張ってる所を見たいから、これ持っててくれるかな」
「あぅ……、……はい」

優しくお願いすると、一期は頬を染めつつドレスの裾を掴みたくし上げた。
一期はゆっくりと己の後孔に宛がう熱い楔を飲み込ませていく。
ず、ず、ず、と奥に楔を迎え入れるにつれ燭台切の自身の大きさに息が詰まりそうになりながら、燭台切を呑み込んでいく。
自分で深呼吸しながら、主導的に自分から燭台切の雄を飲み込むその姿。
一度中に出されている為、挿入は比較的スムーズにできているようだった。
一期の丸見えの下肢は、一期のものと燭台切のものが混ざり合い、白濁の液に濡れている。
ある程度燭台切自身を呑み込んだ時、内側から肉が腹を抉る。
そのダイレクトな感覚に、足の力が抜ける。
と、丁度良くあった前立腺が遠慮なく抉られ、一期は全身を戦慄かせた。

「あっああっ、あぁぁぁっ……~~!!」

予想していなかった強すぎる刺激に、何とか持ち堪えていた足は完全に力を失う。
唯一の支えを無くした体は、重力に従い下へと落ちる。
当然、半端に咥えていた楔は根元までずっぽりと嵌まり、再び脳髄を直撃するような激し過ぎる快楽と目眩に襲われた。
強すぎる刺激にびくびくと痙攣が止まらず、荒い呼吸を繰り返す口からは唾液と喃語のような声が止めどなく溢れて止まらない。
一期が震える身体で燭台切を見つめると、彼も呼吸を荒くして一期を見つめていた。
彼も、自分で感じてくれている。
それだけで、心が満たされていくのを一期は感じていた。
もっと、彼に気持ちよくなってもらいたい。その一心で一期はゆるやかに腰を動かし始める。
愛しい男の雄を受け入れ、肉壁は硬い楔により隙間無く埋められてしまっている。
呼吸をする度にその存在感が増していく感覚に、一期は小さく喘いだ。
もっと、気持ちよくなりたい、気持ちよくなってもらいたい……。
一期は腰を上下させて自ら前立腺を探り当て、そこばかりを擦り全身を戦慄かせる。
前立腺が刺激される度に、一期は内部を絞り燭台切を絡め取る。
だが、今までの疲労もあり徐々に動きが緩やかになっていく。
動きたくても足に力が入らない。
一期は訴えるように燭台切に口付けをする。
そんな一期に、燭台切は心情を察したようだ。
一期の腰に手を回し、勢いを付けて突き上げ始めた。

「ひゃあぁあっ!下から、光忠、さんのがぁ……!あっああっあ、はぁんっ……!奥までぇ……!」
「っ……!」

一期はとろとろに蕩けた顔を晒しながら、燭台切にしがみ付いてくる。

「んぁぁっ!ひっ、……はぁっ!あっ!あっ!あうぅ……んっ!」

肉がぶつかり合う度、ばちゅんばちゅんと卑猥な濡れた音が響く。
強い快楽に喘ぎながらも、一期の瞳には燭台切の感じ入る顔を見るのを止めなかった。

「…み、ただ、さっ!はぁ!あっ!好き!好きぃ……♡」
「ッ、僕も、だよ……!一期、くん……!」
「……あっあっあんっ、嬉しい……!お尻、すっごく感じちゃっ……!あっ、ひゃんっ!あっんっ♡、らめっ、感じ過ぎて……、おかしくなっちゃいますぅ……ッ!」
「いいよ、僕に狂って……?」

抱き合ったままの体制で、耳元に吐息混じりに囁かれる。
もう、それだけで限界だった。

「あっあっ、あっ!あっあっ、イく、イっちゃ……!みつたださ……あっああああっ……!!」
「一期くん……僕、も……っ…くっ!」

燭台切が低く呻く。
と、中を抉る熱がドクンドクンと大きく脈打ち、一期の腹の奥が広がるように熱くなる。

「んぁあ……っ、ぁっ……あ、出て、るぅ……いっぱい、みつたださんの、子種が、出て……」

愛しい彼の熱に、一期は恍惚とした顔で自分の腹を撫でる。
そんな一期の様子に、乱れた呼吸を整えながら燭台切は一期の頬や唇に口付けを落とした。




行為が終わり、汚れてしまった敷布を取り換えそのまま燭台切と一期は布団に横になる。
終わった後、疲労で少し動きが散漫な一期に対し過ぎるほどの世話を焼いてくる燭台切に一期は嬉しさを抑えられなかった。

「私は、平気ですよ、光忠さん……」
「でも、無理させたし……」
「いいんです」

一期はそう言って、燭台切の首に両手を絡ませ抱き付いた。
燭台切はそんな一期に赤面しつつそれを受け入れる。
燭台切はぎゅっと一期を抱き締める。
愛しい夫の熱を身体一杯に感じ、一期は嬉しそうに微笑んだ。

「一期くん、好きだよ」
「私は大好きですよ、光忠さん」
「っ……。本当に、君には……適わないなぁ」

そんな愛し合う二人を、月明かりだけが見守っていた。


君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな

(君が僕の事を想ってくれるなら、この命だって惜しくないと思っていた。でも、いざ君が想ってくれると
少しでも永く、この幸せの中で生きたいと想うようになったんだ)



* 終 *




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