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「■ 刀剣乱舞 短編」
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【薬堀&燭一】お兄さんを僕にください

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「なぁ燭台切の旦那」
「ん?」

とある本丸の朝。
朝餉を終え、各々が好きな事をやっている中雑務を終えた燭台切が一息をついていると薬研に呼び止められた。

「どうしたの?薬研くん」
「ちょいと手合わせをお願いしたいんだが、いいか?」
「うん、構わないよ」

少し薬研の声に違和感を感じたが、気のせいと思い手合わせの為場所を移動した。


■■■


本丸から少し離れた場所。
ここはあまり本丸の住人も来ない開けた場所で、ここまで連れて来られた燭台切は疑問に眉を寄せる。

「ほらよ、旦那」
「え、薬研くん……。これ木刀じゃ」

普段、手合わせは竹刀で行っている。
以前は木刀でも手合わせをやっていたのだが、怪我をする恐れがあるとの事で使用は禁止するように言われていた。
だが薬研は燭台切が持つ太刀と同じ長さの木刀を渡し、薬研自身も自分が愛用している短刀サイズの木刀を手に取った。

「いいんだよ、竹刀じゃ気合が入らねぇし。木刀(こっち)の方がやりやすいしな」

それに、と薬研が言葉を止める。

「……こっちの方が本気(マジ)でやれるからな」

いつもより低いトーンで囁かれた言葉。
明らかに怒りを含んでいる声色。
その中に、一瞬だが殺意を感じた。
彼を、ここまで怒らせた理由。それは、燭台切には心当たりがあった。

「(一期くん……、か)」

薬研の兄であり、粟田口唯一の太刀。
太閤秀吉が所持していたとされ、後に皇室に献上されたという話のあるように、彼は華美な出で立ちながらも真面目で、誠実な青年であった。
そんな彼と、恋仲になって。
少し前に二人で夜に逢瀬をしていた時、それを薬研に見られた。
薬研は驚いた顔を見せたが、燭台切を睨み付けるとすぐその場を後にした。
薬研に背を向けていた一期は気付いていなかったようだが、薬研の視線から明らかに感じた敵意。
粟田口の短刀達の兄で、『いち兄』と慕われる、彼らの大切な兄を奪ったのだから、当然だろうと燭台切は思う。

「(これは、僕も本気にならないとマズイかな)」

審神者の青年が近侍として傍に置き、ずっと第一部隊の隊長を務める薬研藤四郎。
刀達の中では、最も古参の加州清光の次にやって来たという。
それだけ、長く経験を積んでいるのだ。短刀(こども)といって侮っては軽い怪我ではすまないだろう。

「さぁ、旦那。始めようぜ」

ここなら、周りに邪魔されねぇしな。
ニヤリ、と薬研は笑い一気に突進してきた。
一気に間合いを詰めてくる薬研の動きを冷静に捉え、燭台切はすっ、と一歩下がる。
と、薬研が突如スピードを上げ、一気に間合いに入り込んだ。

「!」

燭台切の喉元を狙い、木刀が突上げられる。
燭台切はその太刀筋を切り払い、逆に薬研の足を狙って太刀を叩きつける。
薬研もそれは分かっていたらしく、高く跳躍しかわすとくるりと一回転して燭台切と距離を離した。

「やるねぇ旦那」
「薬研くんも手合わせにしてはかなり本格的に仕掛けてくるね」
「……まぁな。あんたとやるなら本気でいかねぇと」
「……それだけが理由じゃないんじゃない?」
「……」
「……一期くんの事だよね」
「……無駄話は終わりだ旦那。続けようぜ」

恐らく、薬研のあの態度は肯定と見ていいだろう。
とにかく、このまま薬研に攻め込まれる状況は避けたい。
燭台切は姿勢を落とし、そのまま一気に距離を詰めた。
普段取らない戦法だけに、驚きに一瞬薬研の動きに隙が出来る。
その隙を狙い、攻撃をする。
だが。

「!!」

さすがに本気で太刀を振るうと薬研が大怪我をする恐れがある。
そう思った燭台切は、薬研の足を自分の足で払う。
足を払われた薬研は地面に倒れそうになるが、左手を地面に着きそのまま燭台切の左腕を蹴り上げた。

「くッ……!」

想像以上に力が強い。蹴りを食らった左腕に激痛が走る。
薬研はすぐに体勢を取り直し燭台切の喉元を狙い再度木刀を突上げてきた。
だが、燭台切も同じタイミングで太刀を薬研の喉元に狙っていた。
木刀同士が鍔迫り合う距離。互いの喉元で木刀は止まっていた。

「燭台切の旦那、片腕だけで俺に勝つつもりかい?」
「……薬研くんも、左手をやっちゃってるでしょ。おあいこだ」

互いに不敵に笑ったまま、武器は下ろさない。
と、そんな時二人を見つけた堀川は思わず叫んだ。

「ちょ、ちょっと……!!何をやってるんです!?」

二人の異様な雰囲気と、手に握られた木刀。そして、木刀が互いの喉元に当てられている状況。
これは、と思った堀川は二人の間に入り込む。

堀川に見られた以上は、手合わせの続行は不可能。
互いに離れるが、薬研は納得してないような顔だった。

「燭台切さん、腕、もしかして怪我を?」
「……まぁ、ね。僕よりも薬研くんを診てあげて。たぶん手を捻挫してる」
「え!?薬研、大丈夫なの!?」

余計な事を、と言わんばかりに薬研が燭台切を見る。
薬研とは恋仲の堀川なら、薬研も冷静さを取り戻すだろう。

「大丈夫だ。この位」
「でも、一応手当ては受けようよ」
「大した怪我じゃない、気にすんな」
「駄目」
「はぁ……。……分かったよ」

どうしても譲らない堀川に、ついに薬研が折れたようだ。
燭台切さんも手当てを受けて下さいね、の堀川の言葉に燭台切は笑って頷いた。



「うわぁ、結構派手にやられてますね……」
「まぁ、薬研くんも全力で蹴り飛ばしてきたからねぇ。左腕で助かったよ」

右手だったら刀が握れなくなるから、と燭台切は言う。

「……すみません、薬研の事」
「ううん、堀川くんが謝る事じゃないよ」

燭台切の手当てをしながら、堀川は申し訳なさそうに謝ってくる。
本来なら、自分のせいなのだから気にする事はないのに。

「堀川くん、僕の手当てよりも薬研くんの手当てをした方がいいんじゃない?」
「え、」
「堀川くんと薬研くんは、お付き合いしてるんだよね」
「っ……、は、はい……。でも、一期さんから自分は薬研を診るから、燭台切さんを頼むって言われちゃって」
「一期くんに……?」

ふと出た自分の恋人の名前に、燭台切は眉を寄せる。

「でも、一期さん怒ってたみたいですよ?木刀で手合わせとか薬研は言ってましたけど、あれはどう見ても私闘でしたし」
「……」
「……きっと、一期さんを取られて拗ねちゃったんでしょうね」

なんだかんだいって薬研は一期さんに甘えてましたから、と堀川は笑う。
堀川は丁寧に燭台切の左腕に湿布を当て、包帯を巻く。

「薬研も、本当に大切な事……分かってないんだから」

薬研のお兄さんは一期さんだけで、心から愛して貰ってるのに、と呟くように言う堀川の顔は、とても優しい顔をしていて。
本当に心から薬研を愛し、信頼している顔だった。

「薬研くんは、幸せ者だね。……一期くんみたいな頼りになるお兄さんと、心から支えてくれる堀川くんがいるんだから」
「ふふ、ありがとうございます。……燭台切さんも、一期さんの事、大事にしてあげて下さいね」

燭台切さんが怪我をしたって聞いて一期さん凄く心配してましたから、と堀川は言う。
愛されていると新たに実感し、燭台切も「勿論だよ」、と穏やかに笑った。





「薬研、どうしてあんな事を」
「……」
「燭台切殿にまで怪我をさせたと聞いたが」

左手首の治療を終え、正座で向かい合う薬研と一期。
視線を逸らしたまま黙っている薬研を見て、一期は珍しいなと思った。
普段は短刀達をまとめる頼りになる弟なのに、今目の前にいる薬研は歳相応の拗ねた様子の子供のそれで。

「……いち兄は、俺等のなのに」
「薬研……」
「いち兄があいつに見せる顔が、俺等といるよりも……嬉しそうに見えて」

ぽつり、と薬研から出た言葉。
大事で大好きな兄を、別の奴(燭台切)に取られて嫉妬した、と素直に白状した。

「ごめん、いち兄」
「……薬研が素直に言ってくれたから、私はもう怒らないよ。……だけど、巻き込んだ燭台切殿には謝ってくるように」
「……うん。……いち兄は、燭台切の旦那と付き合ってるんだろ?」
「……ああ。だけどね、薬研。私にとって、お前達は大切な弟で、家族だ」

薬研の兄は私だけなのは変わらないし、私が薬研を愛しているのも変わらないよ。と一期は優しく微笑んだ。
優しく頭を撫でてくれる手に、頬に濡れた感触が伝った。
それが涙だと気付いた時、薬研は一期に抱き締められていた。

「ありがとう、いち兄……」

ぎゅ、と大きな兄の背を抱き締めると優しく抱き締めてくれた。
どうして、気付けなかったんだろう。
こうして、抱き締めてくれる手は燭台切だけのものではないという事に。
暫く薬研は一期に抱き締めてもらった。
今まで、甘えられなかった分を全て使うように。
そんな薬研を、一期は優しい目で見つめていた。





そして、堀川と一期が動いた事で薬研と燭台切は同室にされ現在に至る。

「……悪かった、燭台切の旦那」

いち兄を取られて嫉妬して八つ当たりした、と正直に自分の気持ちを吐露する薬研。
薬研の気持ちに当初から気付いていた燭台切は怒る事はしなかった。

「ううん、僕は気にしてないし怒ってもないよ」
「……いち兄の気持ちが、旦那に全部いっちまうんじゃないかと思った」
「……」
「あんなに嬉しそうに笑ういち兄、俺、見た事が無かったんだ」

薬研の言葉に、交際を見てショックを受けたというよりは、自分の知らない一期を見つけてショックを受けた感じだろう。
笑いながら言う薬研の言葉尻に含まれた寂しさの気持ち。

「……薬研くん……」
「……凄く、悔しくなったんだ。だから……」
「うん、君の大事なお兄さんを奪った事は事実だから、僕は責められても仕方ないんだ」
「いいや……。さっき、いち兄に説教されたよ。それで……、いち兄は本当にあんたを好いてるんだなって思った」
「……」

悔しいけど、完敗だ。という薬研。
燭台切は、薬研に静かに頭を下げた。
これだけは、言わなければいけない。

「……薬研くん。……お兄さんを、僕にください」
「……」
「必ず、守るから。一期くんを、支え続けるから」
「……俺等じゃあ、いち兄をあんな風に笑わせてやれない。俺等じゃあ、いち兄を心から支えてやれない」

俺等は『いち兄の弟』という立場から絶対に抜け出せないから、と薬研は言う。

「あんたしか、それが出来ないから。いち兄が愛してるあんただから出来るんだなって。……だから旦那、いち兄を……、頼む」
「薬研くん……」
「俺等じゃ支えきれない部分は、あんたに任す」
「薬研くん……。ありがとう……」

頭を下げた燭台切に、気にすんなと薬研は笑う。

「だけどな旦那。いち兄を泣かせたら柄まで通すから、覚えとけよ?」
「泣かせる事はさせないつもりだよ」

……啼かせる事はあるかもしれないけど、と燭台切が内心で呟く。
それを見透かしたかのように薬研から一言、釘を刺された。

「弟達には内緒にしといてくれよ。まだ弟達は旦那といち兄の付き合う姿を見るには早すぎる」

まぁ、確かに刺激が強すぎる事もしてるからなぁ……。と思わず呟いた燭台切に、薬研が睨む。

「あまりいち兄に無理させんなよ、旦那」
「薬研くんも、堀川くんを泣かせちゃ駄目だよ?」
「……は?」
「凄く優しくていい子で……、誰よりも薬研くんを愛してるからね。堀川くんは」
「……分かってるよ、そんな事」

燭台切の思わぬ反撃に、少し照れたように薬研はふい、と顔を背ける。
歳相応な愛らしい反応に、くすくすと燭台切は笑った。


そしてその後、使用を禁止されていた木刀を使い、なおかつ私闘をしたという事で薬研と燭台切は審神者の青年にこっぴどく怒られる事になる。
その後、薬研と燭台切は打ち解けたように仲良くなり堀川と一期を安心させたという。



* 終 *




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