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「■ 刀剣乱舞 短編」
▼ 燭一

【燭一】あなたのいちばんになりたくて

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「燭台切光忠殿。私は一期一振と申します、宜しくお願い致します」
「一期くんか……。よろしくね」

にっこりと笑った、その綺麗な笑みがとても鮮明に記憶に残っている。




「やっと太刀が来てくれて助かったよ、一期の負担もようやく減るね」

安堵したように言う審神者の青年。
聞く所によると、慢性的に戦力が不足していたようで太刀が欲しかったのだという。

「来て貰ったばかりで悪いけど、ここに慣れたらすぐに第一部隊に配属となると思うから」
「いや、それは構わないよ」

必要とされているのは、悪い気はしない。

「うん、頼もしいね。じゃあ一期、同じ太刀仲間として色々教えてあげてね」
「かしこまりました」

主である青年から紹介された、一期一振という青年。
派手な身なりだが、それは元の持ち主の趣味らしい。
だが、その性格は真面目で誠実な青年のようだ。

丁寧に本丸の中を案内してくれ、自分が生活に慣れるまで、という事で色々世話を焼いてくれた。
面倒見がいいと思ったら、彼は長男で、この屋敷にいる短刀達は弟だという。

「(そりゃあ、面倒見がいい筈だよね)」

子供達は、一期を見かける度に「いち兄、いち兄」とくっついてくる。
歳の離れた弟達だ。可愛いに決まっている。
でも、短刀達の相手をしている一期を見て思った。

「(彼は……、弱音を吐ける人がいるのかな)」

頼りにされているのは分かる。だけど、彼とて超人では無い。
弱る時もあれば、辛い時もあるだろう。
そうなったら、彼を助けられるのは誰だろう。

一番の適任は主の青年かと思ったが、一期の性格ではきっと主の前で弱音を吐く事はしないだろう。
弟達にも、心配をかけるといけないと思ってきっと、弟達の前では【頼りになる兄】で居続けるのだろう。
じゃあ、彼の積もった心の疲労は、誰が気付いてやれるのか。
そう、ふと沸いた疑問。

そしてその疑問を裏付けるように、後日燭台切は一期のわずかな違和感にいち早く気付く事になる。
偶然、深夜に一人でいた一期を見つけて。
彼は、ぼんやりと夜空を見上げていた。
その一期の顔は、いつも見ていたしっかり者の【一期一振】ではなかった。
最近気付いた綺麗な琥珀を思わせる金色の瞳は、不安に揺れていて。
今にも、泣き出してしまいそうな顔だった。
ふとこちらをちらりと一期が見る。
気付かれたか、と燭台切は内心焦ったが一期は気付いていないようだった。
その時、燭台切は見てしまう。
一期の、表情を。

「……!」

助けを求めるような、表情(かお)。
何かを必死に堪えるような仕草。
そして一期の頬を、涙が濡らした。
そのすぐ後、小さく聞こえる嗚咽。
一期はそのまま膝を抱え、小さく蹲る。

「……」

言葉が、出なかった。
本来なら、傍で慰めるべきなのかもしれない。
だけど、燭台切は動けなかった。

そして、思った。
彼は、助けを求めたくても求められない、一人の青年なのだと。
……彼を、助けてあげたい。支えてあげたい。
その気持ちが恋に変わったのは、今考えたら必然だったのかもしれない。


「一期くん、お茶を持ってきた……、よ……」

燭台切は自室で執務をしていた一期の元に茶を持ってきた。
一番隊の副隊長としての指導、そして屋敷での雑務。
彼は、休めているのだろうか。
と、一期の部屋に入った所で燭台切は言葉を止める。

「……寝てる、のか」

机に突っ伏している一期を覗き込むと、瞳は閉じられ規則正しく肩が上下していた。
一期の手元の紙には、一軍が戦ってきた敵が記録されている。
記録の途中で、眠ってしまったのだろう。

「無理しすぎだよ、一期くん……」

本来なら布団に寝せるべきなのだろうが、動かして起こす可能性がある。
仕方が無いので、燭台切は掛け布団を出して一期にそっとかけてやる。
眠っている一期。その肌は病的に白く、前に見た月夜の夜を思い出す。
あの時の、一期の顔がずっと、脳裏に残っていて。
そっと、頬を撫でる。その冷たさに、ぞっとした。

「……一期くん……。君は……どうして誰にも助けを求めないの……?」

そっと、綺麗な青緑の髪を撫でる。さらさらと髪が指を通る感覚が心地いい。

「僕は……君を……助けてあげたいんだ」

それは、勝手なエゴかもしれないけれど。
でも、ずっと一人で抱え込んで、抱えきれなくなって、溢れて、泣いて。
このままでは、きっと、一期が壊れてしまう。

「……時代は違っても、僕達は同じ主の下にいた同郷だ。……それに、炎で焼かれた事も。だから、少しなら君の気持ちを分かってあげられるかもしれない」

だからこそ、彼を助けたい。
助け出して、彼の本当のココロに触れたい。
……だから。

「……あの時みたいに、もう……一人で泣いて欲しくないんだ……」

そっと、一期の髪に口付ける。
だが、一期の起きる様子は無かった。
と、ふと燭台切が立ち上がり部屋を後にする。
静かになった部屋。
ぱさり、と掛け布団が落ちた。

「……燭台切、さん……」

彼の思いと、暖かさ。
髪に触れた、自分よりも大きくて暖かい手。
彼は本当に、心から自分を心配してくれているのだと。
彼になら、弱音を見せてもいいのだろうか。

「……」

胸が苦しい。
触れてくれた、暖かい手が名残惜しい。
それだけ、弱っていたのだろうか。
ぽろぽろと溢れてくる涙。

「っ……」

自分の肩を抱き締める。
だが、一度溢れた涙は止まらない。

「……っ、一期くん!」
「っ!」

燭台切の声がした。
思わず顔を上げると、暖かそうな毛布を持った燭台切が心配そうに見つめていた。

「燭台切、さん……」
「……大丈夫かい?」
「……はい……」

燭台切は一期の頭から毛布を被せる。

「……これなら、顔が見えないから。……思いっきり泣いていいよ」
「……!」
「傍にいてあげるから。一期くんの想いは……全部僕が受け止める。……だから……」
「っ……」

燭台切は優しい目で一期を見つめていた。
自分の全てを受け止めると約束してくれた燭台切。
その顔を見ただけで、涙が止まらなかった。
静かに泣く一期の頭を、燭台切はずっと優しく撫でていた。
心に、染み込んでいく、暖かな気持ち。
零れ落ちる涙を、燭台切は優しく拭ってくれた。
一期が落ち着くまで、燭台切は傍にいてくれた。
そして、ようやく落ち着いた頃。

「燭台切さん」
「ん?」
「……どうして、私にここまでして下さるんですか?」
「……同郷だからというのもあるし、共通点もあったから。……でも」
「……でも……?」
「一番の理由は、君を好きになったから……だよ」
「え……?」
「好きになった子を助けるのに理由はいらないでしょ」

好き、という言葉に一期は目を瞬かせる。
この状況でのその言葉の意味は。

「……愛してる、一期くん」
「燭台切、さん……」

改めて言い直された言葉。燭台切の目は真剣だ。
言われた言葉に、一期は目を見開く。
驚き等、色々と綯交ぜになって頭が対処しきれない。
固まっている一期を見て、申し訳なさそうに燭台切は言う。

「……ごめん。……一方的に押し付けて」

今言った言葉は忘れてくれて構わないから、と言われ一期は我に返った。

「待って、下さい……」

黙っていた自分を見て、返事はNOと思われたらしい。

「……嫌だとは、一言も言ってないです」

そう言った一期に、燭台切は驚いたように一期を見る。
すとんと胸の中に落ちてきた気持ち。
これは、きっと。

「燭台切さんの言葉、嫌じゃなかったんです。むしろ、言われて嬉しかったんです」

一期の言葉に、今度は燭台切が驚いた。
それは、つまり。
一期は言葉を選ぶのに迷っていたようだったが、小さな声で燭台切に告げた。

「……私も、燭台切さんの事……好き、です」

一期の言葉を聞いた燭台切は、強く一期を抱き締める。
一期はその強さに嬉しそうに頬を染めると、その自分よりも広い背に腕を回した。
改めて気付いた、彼への想い。
胸に広がる始めての暖かな気持ちに夢ではないかと疑うけれど、この温もりと、抱き締められる強さは本物で。
間近に見る燭台切の端正な顔に、口付けをしたくなって一期は恐る恐る彼の唇に自分の唇を重ねた。
触れるだけのささやかな口付け。
子供のような拙い口付けなのに、自分の心臓の音が大きく聞こえる。
そっと唇が離れた後、燭台切はじっと一期を見つめていた。

「(もっと……したい)」

想いの繋がった好きな人との口付けが心地良くて、触れるだけのキスを繰り返す。
次第に物足りなくなったのか、口付けしたまま燭台切の唇を一期は猫のように舐める。
その、無意識だろうが誘う仕草と口付けに、燭台切は一期の顎に手を添えると自分から口付ける。
驚いたように舌を引っ込めた一期を無理矢理追う事をせず、歯列を優しくなぞるように舐め口内を愛撫する。
燭台切の舌に一期は、恐る恐るといったように舌を使って吸い付く。
その口付けに燭台切は口外に舌を引き摺り出すように絡めた。
唾液が絡む音が生々しく、快感を引き出すような口付け。
口が離れ、互いの口から銀糸が引き、消えていった。
一期は頬を染め、目を伏せる。
最後に触れるだけの口付けをして、燭台切は一期を見る。
一期は燭台切の肩に顔を埋めた。

「燭台切、さん……」

手を差し出すと、そっと手を握られる。
指を絡めるように握られ、その手に優しい口付けが落ちてきた。
暖かい温もりを暫く感じていたが、眠気がゆっくりとやって来るのを感じた。

「眠いのかい?」
「はい……」
「じゃあ、一緒に寝ようか」
「えっ……?」
「ふふ、冗談だよ」

燭台切の言葉に、一期は頬を赤くする。
ちょっとからかうつもりだったのだが、一期の言葉に燭台切は驚く。

「……一緒に、寝て、下さい……」

好きな相手に頬を染めこんな事を言われたら、別の意味に誤解しそうである。
恐らく無自覚で出た言葉なのだろう。
天然って恐ろしいなと燭台切は思ったが、折角のお誘いを断る理由は無く、言葉に甘える事にした。
布団の中で、寄り添う。
互いの体温が、心地よかった。

「何か……、久々に気持ちよく寝れそうです」
「……今まで、ゆっくり寝れてなかったのかい?」
「……夢見が、悪くて。燃えた時の夢を、どうしても見てしまうんです」
「……」
「だから、眠るのが怖くなってしまったんです」
「そうか……」
「……でも、今は怖くないんです。……燭台切さんがいてくれるから」

一期の言葉を聞いて、燭台切は嬉しそうに微笑む。
燭台切はそっと一期の右手を握った。

「もし一期くんが悪い夢を見ても、僕が一緒にいるから……大丈夫だよ」
「……!」

一期はそれを聞いて驚いたような顔をしたが、すぐに嬉しそうな顔に戻った。

「ありがとうございます、燭台切さん」

そのまま二人はまた、口付けを交わした。

「おやすみ、一期くん。……いい夢を」




それから、一期は悪夢を見る事は殆ど無くなった。
そして、二人で寝ていたのを弟達に見られた事で本丸が前代未聞の大騒動になるのはこの後の話。





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