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「■ 刀剣乱舞 短編」
▼ 燭一

【燭一】嫉妬はほどほどに

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今まで、こんな気持ちを抱いた事は無かったのに。
ヒトの姿を持つと、どうしてこう心を乱されるのだろう。




とん、とん。
きゅ、きゅっ。



本丸にある、舞台。
そこは審神者が神事を行う際に使う場所である。
そこから断続的に聞こえてくる音に、近くを通りかかった燭台切は足を止める。
今日使われる予定は無かった筈だ。

純粋な興味から、燭台切は舞台を覗き込む。
そこには。

「……主、さん……?」

舞台にいたのは、燭台切の主である審神者の青年。
彼は女性物の艶やかな着物を纏い、優雅に舞っていた。
余程集中しているのか、燭台切に気付いた様子はない。
薄くではあるが、化粧もしている。
そういえば、主は神社の息子で神事の際はそれを手伝う事が多いと言っていた。
近い内に神事があると言っていたのでそれの練習だろう。

「(それにしても……)」

華奢な体のライン。
そして女性的ではあるが、男性らしさも垣間見える中性的な顔立ちのせいで、女性よりも妙な色気を感じる。
燭台切は、審神者の舞を見つめた。

まるで、蝶が舞うがの如く。
流れるように滑る指、手に持つ扇は指の動きを更に優雅に見せる。
魅入られるように、燭台切はその舞を見つめていた。
どれ程の時間が経っただろうか。
審神者の青年が足を止める。

「光忠……見すぎ」
「あ、ごめん!覗き見するつもりじゃなかったんだけど……」

動きを止めた審神者の青年から呆れたような声。
その言葉で、かなりの時間見ていた事に気付いていたと気付き燭台切は無礼を詫びる。

「いや、いいんだけど……。ちょっと、視線が強くてやりにくかった」
「ごめん。君が凄く綺麗だったから、見とれてたんだ」
「……、光忠」
「なんだい?」
「そういう事、サラっと言わない方がいいと思うよ」
「え?僕は本当の事を言っただけなんだけどなぁ」
「……はぁ……。うん、もういいよ……」

この天然タラシめ、と内心で審神者の青年は悪態を吐く。
少しでもときめいてしまった自分を殴りたい。
こいつには一期一振という恋人がいるのに。
そして、自分にも恋人がいるというのに。
これ以上こいつといたら、色んな意味でやばい。
一期に対する罪悪感がどんどん大きくなっていく。

一旦、自分が席を外そうと審神者の青年が動いた瞬間。
くらり、と視界が回った。

「あ……」

倒れる、と思った瞬間視界が黒に塗り潰された。

「光、忠……」
「やれやれ……。顔色が良くないなと思ってたらこれだからね……」

審神者の青年は、燭台切に抱き込まれていた。
倒れそうになったのを、燭台切は支えてくれたらしい。

「……ごめん」
「いや、構わないよ」

少し休んだ方がいいと言われ、流石に倒れかけた以上大丈夫とは言えなかった。
目の前の男は、とてつもない世話焼きで、お節介だ。

「自分で、戻る、から」
「そんな調子じゃ無理だよ。ほら、僕に掴まって」

言葉と同時の浮遊感。
姫抱きにされている、と認識した瞬間顔が一気に熱くなった。

「ちょっ……!?光忠!」
「そんな着物じゃおぶれないでしょ。ほら、掴まって」
「……う、」

この時ほど、自分の虚弱体質を呪った事が無かった。
でも、自分を包んでくれる温もりはとても心地良い。

「無理しないで」
「ん……」

いい加減に限界だったのか、意識を失った主の青年を抱え直す。
最初はその軽さに驚いたものだ。
燭台切は青年を寝かしつけるべく、審神者の部屋へと向かった。



■■■



そして、宵の闇。
夜の帳が降り、草木も眠る丑三つ時。

燭台切と一期は夜の逢瀬を楽しんでいた。
……のだが、燭台切はどこか一期の様子がおかしい事に気付いていた。

「……一期くん、どうかしたのかい?」
「え?あ、……いえ、何でもありません……」

どこか、上の空で落ち込んでいるように見える。

「……何か、悩み事があるなら聞くよ?」
「……いえ、悩み事では無いんです」

どことなく気まずい雰囲気。
今までこういう事が無かっただけに、燭台切もどうしたものかと手を拱いていた。
でも目の前に大切で可愛い恋人がいたら、触れたくなるのがオトコというもので。
そっと、一期を抱き寄せる。
ビクリ、と大袈裟に震えた一期に、燭台切の手は止まった。
明らかにその震えが怯えからのものであると認識してしまったからだ。
一期もそんな自分の反応に驚愕していた。
燭台切の手が止まった事で、一期の顔色がどんどん青ざめていく。

「す、すみません……!」
「い、一期くん……!待って!」

完全に錯乱している様子の一期は、燭台切の手を抜け出すと部屋を出て行った。
慌てて制止をかけるも、一期には届かず。
しん、となった部屋で燭台切は参った、と言わんばかりに髪を掻き上げた。

「一期くん……どうして……」

拒絶された事もショックだったが、むしろそれよりも。
一期の思い詰めた顔。そして怯えた仕草。
自分が、何か彼にしてしまったのだろうか。
そうでないと、彼の様子の説明がつかない。

「(明日、聞こう)」

ずっと抱え込む癖のある一期だから、問いつめないと解決しない。
それに、もし、自分に非があるなら謝りたい。
こんな事で、一期との恋を終わらせたくないのだ。

「(一期くん…)」

そっと空を見上げる。
雲一つない闇夜の中に、一際輝く月が燭台切を照らしていた。







「昨日はごめんね、光忠」
「いやいや、大事にならなくて良かったよ」

翌日燭台切は、昨日倒れた審神者の青年の元にいた。
倒れた、という事で家臣の刀達は大層心配したらしい。
だが燭台切が早く動いたという事と主から医学を習っている薬研が的確に処置したのもあり、回復は思った以上に早かった。

「もう無理しちゃ駄目だよ」
「もう、分かってるってば。薬研や国広にも相当言われたし」
「暫く二人とも君に張り付きっぱなしになりそうだね」
「あ~もう……」
「懲りたら、突き詰めないで無茶は止めること。何事も余裕、だよ」
「は~い……」

光忠ってお母さんみたいだよね、と審神者の青年がジト目で睨んでくる。
そんな主の青年を見て、燭台切がクスクス笑っていると静かに「失礼します」との声と共に襖が開いた。

「主様、お体の程は……、ぁ……」
「一期、くん……」

そう、襖を開けたのは一期一振。
一期は、燭台切の姿を見て気まずそうに視線を逸らす。

「うん、身体の方は薬研のお陰で随分良いよ」
「そうですか、良かったです……」
「ねぇ一期」
「はっ、はい……」
「部屋に入りなよ」
「えっ」

迷ったように視界を彷徨わせる一期。
一期が入室を躊躇う理由は、審神者には分かっていた。
燭台切と一期の間に感じる、気まずい空気。
それを解消できるきっかけを作れるのは自分しかいない。

「一期、主命。部屋に入りなさい」
「っ……」

滅多に主命を使わない審神者の青年が、静かに一期に主命を告げる。
主からの主命に、一期は逆らえないのを分かっていての命令だ。
一期は一礼すると、部屋に入り審神者の傍らに座った。
だが、相変わらず燭台切との距離は離れたままだ。

「一期さ、昨日僕と光忠が舞台で一緒にいたの見てたんでしょ?」
「え?」
「!!」

驚く燭台切に、露骨にビクリと肩を震わせた一期。
こりゃあ、ビンゴだわ……と確信した審神者の青年。

「だと思ったよ……。どこから見てたのかは知らないけど、それで誤解してるんじゃないかな~って思ってさ」
「……もしかして、僕と主さんのやり取りを見て……?」
「うん、多分。それで不安になったか嫉妬したかのどっちかだと僕は思うんだけど」
「一期くん……」

そうなのかい?と尋ねられ、一期は俯いてしまう。

「……あの時見た主様と、燭台切さんが、凄く……」

お似合いに、見えて……、と俯いたまま小さく話す。
審神者の青年が女装をしていたのがトドメだった。
まるで、美しい姫を迎えにきた皇子のようで。
御伽噺のような、光景。
それだけで、自分の恋が異質なものだと思い知らされて。

「だから、私は……っ」

一期が言葉を言い終える前に、燭台切は一期を抱き締めた。

「燭台切、さん……!」
「僕には一期くんだけだから……!」

審神者の目の前でテンプレートな恋愛劇場を始めたカップルに、内心げっそりしながら「コホン」とわざとらしく咳をする。

「一期、どう考えても光忠は一期しか見えてないから」
「そうそう。僕が好きなのは一期くんだけだから」
「そうあっさりと言われるとちょっとムカつくんだけど……」
「主様……。燭台切さん……」
「まぁ、光忠のタラシっぷりにちょっとドキっとしちゃったのは謝る」
「え……」

燭台切に抱き締められたまま、主を見つめる一期。
抱き締められた手の力は強く、離せそうに無いが嬉しいのは事実で。

「それにね、一期にはまだ言ってなかったんだけど僕、恋人いるから。だから、一期が気にする事は何一つ無いからね」

悪戯っぽくウィンクする審神者に、一期は呆然とする。
笑っている燭台切の様子を見るに、審神者に恋人がいる事を燭台切は知っていたようだ。

「むしろ、二人が幸せそうに笑ってるのを見たら僕は嬉しくなるからさ。光忠、一期を離しちゃ駄目だよ」
「当然だよ」
「燭台切さん……!」

ちゅ、と頬に口付けをされ、一期は真っ赤になる。
そんな仲睦まじい二人を審神者はにこにこと見つめていた。

「それで、二人の式はいつにするよ」
「えっ!?」
「今は同姓で結婚するのも寛容なんだよ?それに僕一応神社の息子だから式もバッチリ」
「そうだねぇ……。僕はむしろ結婚しちゃいたいんだけど」
「燭代切さん!?」
「一期くんと結婚したら、僕も薬研くん達のお兄さんになるのか。賑やかになりそうだね」
「まぁ光忠も世話焼きだし、オカン属性だし面倒見はバッチリだねぇ。いい夫婦になりそう」
「勿論一期くんがお嫁さんだけどね。綺麗で可愛いお嫁さんになるんだろうなぁ」
「ははは、光忠が嫁とかないわ~。一期は西洋風のドレスでも白無垢でも似合いそうだよね」

ははは、と審神者の青年と燭台切は笑っているが一期は恥ずかしさやら何やらで真っ赤になっていた。

「一期くん、僕のお嫁さんになってくれる?」
「え、あ……」

そっと一期の白い手を取り、口付ける。
それは西洋の騎士や王子が姫にするようで。
燭台切がやると、酷く様になっていた。
審神者でさえ「カッコイイなぁ畜生」と思った程だ。恋人の一期には破壊力抜群であろう。

「……僕と、添い遂げてくれるかい?」
「……、……はい……」

一期の手を取り優しく微笑む燭台切に、そんな燭台切を赤面したまま見つめる一期。
少し視線を彷徨わせたが、嬉しそうに一期は頷いた。

「(一期、完全に光忠に落ちてるじゃん。ホントに光忠が好きなんだなぁ)」

ホント、イケメンって得な生き物だよねと内心で審神者の青年は愚痴る。
目の前で繰り広げられる甘すぎるメロドラマも見慣れたものだ。
耐性が付いてきた自分も相当やばいとは思うのだが。
とりあえず、目の前の二人の誤解が解けたのでよしとしよう。

「とりあえず二人共イチャつくなら部屋でやりなさい」
「っ!」
「おっと」

審神者の言葉で我に返った一期が離れようとしたが、それを見抜いていた燭台切は一期の腰に腕を回したまま離さない。
にっこりと燭台切は笑うと、軽々と一期を抱き上げた。所謂姫抱きである。

「燭台切さん……!」
「一期くんは心配性だからね。僕は君しか見ていないって事、たっぷり教えてあげる」

身も、心にも……ね。と、わざと低く、甘く耳元で囁く。
燭台切の声に、ぴくりと震える一期。

「光忠、ちゃんと明日一期が動けるように手加減しなよ?」
「ん~、どうかなぁ」

ちょっと疑われちゃったしね、と笑う燭台切。
そう言われてしまったら、一期は黙るしかない。
何だかんだいって二人は互いしか見えていないのだ。
とっとと結婚してしまえと思った自分はきっと間違っていない。

「(あ~あ。僕も早くアイツに逢いたいな)」

慌しく去っていった二人。
その後を見送りつつ遠くで自分と同じ審神者として働いている幼馴染を想い、少し寂しい気持ちになった。



* 終 *




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